
あいにく、BPDをもつ人は身体的不快感に対して甚だ敏感なようであり、それに感情的に反応するので、四六時中不調について話すことになります。見せかけのコンピテンス(有能さ)のせいで、BPDをもつ人は、いかにつらく感じているかを示さずに身体的、感情的痛みを描写できるのです。このため、人々はその話が本当かどうか、またその人がそれについて語る動機は何なのだろうかと疑問を抱きます。当然ながら、これは他人とBPDを持つ人との間の緊張を高め、加えて、抑うつを生じさせるような身体的問題を悪化させるような身体的問題を悪化させる可能性があります。そして、時には観察者が身体的問題は存在しないか、または大いに誇張されているのではないかと疑うことにもなるのです。
あなたがそのような疑惑の餌食になってしまうこともあるでしょう。ですが、結合組織炎、リューマチ性関節炎、過敏性腸症候群、重症筋無力症を「真の」診断と考えてください。
あなたの愛する人は身体的なものにせよ、感情的なものにせよ、自分の痛みを大袈裟に述べている可能性は低いのです。
同様に、うつ、不安、心的外傷後ストレス障害などの他の精神的医学的な問題が併存していることがあります。これらの精神医学的問題があれば、日常生活をうまくこなすことがより難しくなってしまうので、あなたの愛する人にさらなるストレスがかかることは容易に想像できるでしょう。自分ではどうしようもなく、あらゆる付加的なストレスが危機発生の確率をいっそう高めてしまうのです。
例えば、クリスティーは厄介な偏頭痛に苦しんでいます。あなたの弟のジミーにもBPD以外のプレッシャーが負担となっています。ジミーは人生で苦しい時期を経験してきました。高校では学業面で苦労しました。いつもトラブルに巻き込まれていて、「好ましくない」集団とつるんでいるように見えました。家では両親との対立が何度もあり、喧嘩の後にはジミーが何日も姿を消すのでした。卒業後、ジミーは軍隊に入りました。戦争から戻ったとき、彼は心的外傷後ストレス障害とBPDの診断を受けて、除隊になりました。
ジミーは大きな音がするとフラッシュバックを経験するのですが、建設会社の仕事にしか就くことができません。建築現場で何らかの倒壊や衝突の音がすると、ジミーは仕事場を離れなければならないほどのフラッシュバックを経験します。それから、問題に関してどこかで助けを求める代わりに(彼は治療を拒否しています)、痛みを追い払うために、バーに行くのです。彼は必然的にバーで喧嘩になり、二晩を刑務所で過ごします。地元の警察は、彼が再度喧嘩をすれば起訴すると言っています。
あなたはこの状況が手に負えなくなっていくのを見ていて、逮捕は避け難いとわかっています。ジミーと話そうとすると、彼は爆発してしまいます。ジミーを不可避的な「倒壊」から守る方法はないように思えるのです。
「境界性ソナパーソナリティー障害を持つ人と良い関係を築くコツ」
シャーリ・Y・マニング署
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