ADHDの症状には、自分の注意や行動をコントロールする脳の働き(実行機能)のかたよりが関係していると考えられていますが、詳しい原因はまだわかっていません。
●前頭前野の関連
実行機能は前頭前野とよばれる大脳の前側の部分で調節されます。
ADHDの人は前頭前野を含む脳の働きにかたよりがあると考えられています。
神経伝達物質の働き
外で受け取った刺激の情報は神経を通して脳に伝わります。脳はさまざまなところから入ってくる情報を統合・判断し何をするのかの指令を出します。脳から出される指令の情報は、神経を通って体に伝わります。
神経系は神経細胞がいくつもつながって構成されており、神経細胞と神経細胞の間にはすき間があります。途切れることなく情報を伝えるために、このすき間(シナプス間隙)で働いているのが、神経伝達物質です。
脳の中にはノルアドレナリン、ドパミンなどの数多くの神経伝達物質があります。
神経細胞から放出されたノルアドレナリン、ドパミンなどは、隣の神経細胞の神経伝達物質受容体に結合し、情報を伝達します。
次回は神経伝達物質の関連について扱います。
「大人の発達障害」より
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