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抗うつ薬

更新日:2022年7月11日

 

 抗うつ薬にはいくつか種類がありますが、最も一般的に処方されるのは選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)です。SSRIにはフルオキセチン、パロキセチン、セルトラリンなどがあります。SSRIは不安を改善する効果があると考えられ、抑うつ状態と不安がある場合に処方される可能性があります。抑うつに苦しむ人々は脳内のセロトニンの量が十分でないと考えられることから、SSRIは、より多くのセロトニンを脳が利用できる状態にすることでこれを改善します。これらの薬は通常、効果が出始めるまでに4〜6週間かかりますので、即効的な結果を期待してはいけません。SSRIは抑うつの治療における非常に強力なツールとなり得ます。以下に二つの重要な副作用について簡単に説明しますが、それを除けば、比較的穏やかです。しかし最も重要なことは、皆さんと皆さんが一緒に取り組んでいる治療チームが、皆さんの子供が真の抑うつ状態にあるのか、それともありふれた深刻な不幸に包まれているのかを区別することです。



  副作用はどのような薬物療法にもある問題です。SSRIも決して例外ではありません。副作用には不眠、嘔気、および軽い筋肉痛があります。これらの症状は一般に、穏やかで一時的なものです。注意すべきは、診断はされていなくても双極性障害を持っている子供がSSRIを服用すると、より深刻な問題に直面することになります。この種の薬は躁病エピソードを誘発することがあります。観念奔逸(考えが次から次へと浮かぶこと)、不眠、焦燥やイライラの高まり、誇大思考、そして過剰なエネルギーなどがその症状です。過剰なエネルギーなどは、最初は抑うつ気分と対照的で歓迎されるものと感じられるかもしれませんが、すぐにより多くの問題に至ります。皆さんの子供が抗うつ薬をほんの数回服用しただけでエネルギー過剰になってるように思われた場合には、処方医に連絡してください。




  2番目の深刻な副作用はこれまで随分と議論され、今でも論争の的になっています。それはSSRIが自殺思考を増大されることがあるというものです。これらの薬には「ブラックボックス警告」【訳註:薬の外箱に印刷される黒枠付きの注意書き。米国食品医薬品局の要請による警告のこと】が添付されてさえいます。抗うつ薬はなんであれいくらかエネルギーを増すということは知られており、時折この新たに増したエネルギーが自殺的思考に向けられることもありますが、SSRIが大人よりも子供にしばしばこれをもたらすという根拠をめぐって議論が交わされています。自殺念慮を増すという副作用は、この種の処方される子供たちの2〜4%に存在するように思われます。皆さんの子供が抗うつ薬を服用し始めた後、自殺思考を経験しているように疑われたら、即座に医師に知らせてください。



次回は、「気分調整薬」を紹介します。




「自傷行為 救出ガイドブック ―弁証法的行動療法に基づく援助―」 マイケル・ホランダー著


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